2016年2月28日・・・イエスさまの伝道
マタイ9:35~38≪伝道の内容≫「それから、イエスは、すべての町や村を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、あらゆる病気、あらゆるわずらいをいやされた。」(35節)。この御言葉にイエスさまの伝道のお働きが要約されています。彼は、失われた人を捜して救うために、自ら町々、村々を巡り歩かれました(ルカ19:10、15:4~6)。そして、会堂で教える教師、御国の福音を宣べ伝える伝道者、病いを癒す医者として、豊かな関わりの中に、一人一人の必要に留意し、配慮をされながら、救いの福音を伝えて行かれました。伝道は単なる情報の伝達ではありません。主が出会わせてくださった方と向き合い、豊かな関わりの中に、キリストの愛と真実を分かち与えながら、共に生きていくことなのです。
≪伝道の出発点≫「また、羊飼いのない羊のように弱り果てて倒れている彼らをかわいそうに思われた」(36節)。イエスさまの伝道の出発点は明瞭で、「失われた人々に対する愛」に他なりません。彼は、羊飼いがいないために、野を彷徨って傷だらけになり、飢えと渇きのために瀕死状態にある羊のような人々をご覧になって胸を熱くされました。弱り果てて倒れそうになっている人々に対する憐みの心、愛の眼差しこそがイエスさまの伝道の出発点でした。この時代のユダヤは「ローマの平和」の下で、戦乱もなく繁栄を享受していました。しかし彼は、表面的な姿だけで人々の状態を判断されませんでした。魂の奥底にある霊的な飢え渇きをご覧になられたのです。私たちも豊かな国にあって生かされています。しかし霊の目が開かれていく必要があります。この豊かな国がどれ程の霊的な飢饉の中にあるのかを知らなければなりません。イエスさまと同じ出発点に立つ必要があります。伝道はそこから始まるのです。
≪伝道の担い手≫「そのとき、弟子たちに言われた。『収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫の主に、収穫のために働き手を送ってくださるように祈りなさい』」(37、38節)。収穫が多いとは、福音の恵みを待っている人々が多くいるということです。イエスさまはこの事実を踏まえて、弟子たちに「収穫のために働き手を送ってくださるように」祈れと命じられました。収穫は派遣される「働き手」を通してもたらされます。神は、天から直接に救いを提示するのではなく、あえて弱く不完全な人間を、神の救いを証する憐みの器として召し出してくださいました。キリストの救いに与って変えられた者を通して、キリストの恵みは人から人へと豊かに伝達されていく、それが収穫のわざです。すべてのクリスチャンはこの収穫の担い手として召されています。私たちの救いには、この大事な使命が託されています。イエスさまは、愛する弟子たちが彼のわざを継承することで、救いの恵みが世界中に展開されるというヴィジョンを提示されました(ヨハネ14:12)。教会が教会を生み、そのメンバーの各自がキリストを証することで、救いの恵みは豊かに拡大して行きます。豊かな収穫を願い、収穫の主に働き手を送ってくださるように願い、また「私たちをも収穫の担い手として遣わしてください」と祈りましょう。