2021年6月6日・・・勇気を出して高木正勝
アリマタヤ出身のヨセフは、勇気を出してピラトのところに行き、イエスのからだの下げ渡しを願い出た。ヨセフは有力な議員で、自らも神の国を待ち望んでいた。
マルコ15:43(42-47)
アリマタヤのヨセフに注目して聖書からチャレンジをいただきましょう。
《ユダヤ人を恐れて》
アリマタヤのヨセフという人は有力な議員で神の国を待ち望む善良で正しい人でした。ユダヤの最高法院で祭司長たちと民の長老たちが全員でイエスを死刑にするために協議したとき、彼はそのような計画や行動には同意していませんでした(ルカ23‐51)。しかし、最高法院はイエス様をユダヤ総督ピラトのもとへ十字架につけるために縛って連行することを決定してしまいます。アリマタヤのヨセフはイエス様の弟子となっていましたがユダヤ人を恐れて自らの信仰の立場を公にすることをせず、それを隠していました(ヨハネ19:38)。
《勇気を出して》
イエス様が十字架に付けられて息を引き取った後、アリマタヤのヨセフは勇気を出してピラトのところへ行き、イエス様のからだの下げ渡しを願い出ます。ユダヤ人を恐れて信仰を隠していたヨセフの心に、どのような変化があったのでしょうか。第一にヨセフはイエス様の十字架上を目撃しました。罪のない正しい人が、何の弁明もせず、最もつらく、むごたらしく、はずかしい十字架の死に向き合われた姿をみました。そして時間が差し迫っていました。すでに過ぎ越しの祭りの安息日・・・の前日の夕方になっており、死体を木にかけたままにしておくことは忌み嫌うべきことでした(申命記21:22‐23)。また実際問題としてイエス様のからだはローマの管轄下にあり、からだの下げ渡しにはピラトの許可が必要です。しかし誰もがローマのユダヤ総督に面会できるわけではありません。最高法院の有力議員だったアリマタヤのヨセフはそれができる立場にありました。彼は意を決して出て行きイエス様のからだを十字架から取り下ろして丁重に墓に埋葬しました。
《イエス様の埋葬は預言の成就》
「彼の墓は、悪者どもとともに、富む者とともに、その死の時に設けられた」(イザヤ53:9)。イエス様の時代の約700年前に預言者イザヤによって語られた預言のみことばでした。神様はアリマタヤのヨセフをこの時に用いようと予めご計画しておられました。ピラトの前に進み出て信仰の立場を明らかにすることは、彼にとって思い切った行動でしたが、実はその背後には、この時に彼を用いるという神様の確かなご計画があったのです。神様は心に信じた者をご自身の目的のためにご計画のとおりに、お入用の時に用いられるお方です。そして、神様は私たちひとりひとりの人生にも確かにご計画をもっておられ、ご自身のご栄光のために私たちを用いたいと願っておられます。私たちが信仰を人々の前で明らかにすることはその祝福をいただくための大切な一歩です。