2022年12月4日・・・こころからの信仰に応えるイエス
そのとき、イエスは彼女に答えられた。「女の方、あなたの信仰は立派です。あなたが願うとおりになるように。」彼女の娘は、すぐに癒された。
マタイ15:28(1-28)
罪人である私たち人間の信仰による救いは、神の栄光の現れです。私たちが更に神の栄光を現してゆくにはどうしたらよいのでしょう。カナンの女と神に選ばれた民ユダヤ人の信仰に対する対応を見てゆきましょう。
《女の信仰(1-22)》
キリストは彼を敵対視するユダヤ人(パリサイ人や律法学者たち)を避け、ゲネサレから離れシドンに退かれました。キリストはそこでカナンの女と会いました。彼女は神の民イスラエルではなく異邦人でした。突然現れた女は、悪霊につかれて苦しむ娘の救いをキリストに願って(:22)叫び続けました。目の前にいるお方が、神の子であり、やがて到来すると預言されていた(2サムエル7:16)メシヤ、ダビデの子孫であるイエス・キリストと信じていたのです。一方ユダヤ人は、同じ目の前にいる方を神の子と信じることができずにキリストを拒みます。
《イエスの沈黙と拒否(23-24)》
愛の方であるキリストが助けを求める女に答えられませんでした。ようやく口を開かれたイエスは、わたしはイスラエル(ユダヤ人)に遣わされたのであって、異邦人のところには遣わされていないと女の願いを拒否します。それは女がなおも失望せず求め続ける大切さを教えるためでもありました。
《カナンの女の対応とイエスの応答(25-27)》
キリストの確かな権威を信じる女の、執拗な願いに対しても、子ども(ユダヤ人)と犬(異邦人)のたとえで(:26)、神が選ばれた民族の救いを異邦人より後回しにするのは良くないと再度拒否されました。しかし彼女は、「ただ、子犬でも主人の食卓から落ちるパン屑はいただきます(:27)」と、自分は小犬のように価値がない者であるが、それでもあなたの恵みのおこぼれでもいただくことができる、と縋ります。するとキリストは「あなたの信仰は立派です。(:28)」と女の信仰を受け入れ、彼女の娘をすぐに癒されたのです。冷たい対応を通して、素晴らしい信仰を彼女から引き出して、彼女にも、弟子たちにも信仰の在り方を教えられたのです。
《すべて神のご計画の内にある》
神がユダヤ人の救いのために選びの民とされたのは、完全・最良の神のご計画でした。しかし、モーセを通してユダヤ人に救いのために与えられた律法を、守ることができないのに、ユダヤ人はそれを悔いて神に立ち返るのではなく、自分たちが解釈した都合の良い律法(義)に固執しました。結局キリストにつまずき、自分たちの罪を認めることはできませんでした。同じキリストに女は謙虚さの故に純粋な信仰を頂き、キリストのあわれみと救いを得たのです。救いは自分たちの努力や行いの良し悪しで決まるものではありません。ただ、恵みによる神のご計画、神のあわれみによるのです(ローマ9:15)。