2023年2月26日・・・人にはできないことが神にはできる
高木正勝イエスは彼らをじっと見て言われた。「それは人にはできないことです。しかし、神は違います。神にはどんなことでもできるのです。」マルコ10:27(13-27)
マルコ福音書10章にイエス様に近づく子どもたちと金持ちの話が記されている。この2つの場面からイエス様が語られた「どのような人が『神の国』に入るのか」という大切な教えについてみていこう。
《子どもたちを受け入れるイエス様(13-16)》
ある日・・・、イエスに触れていただこうと人々が子どもたちを連れて来た。いつの時代も親たちにとって幼い子どもの健やかな成長は切なる願いだ。しかし、弟子たちはイエス様に近づこうとする大人と子どもたちを叱った。イエス様の説教が分からない子どもたちを近づけて先生を煩わせてはいけないとの弟子たちの配慮の対応だったと思われる。イエス様はそれを見て憤り「子どもたちを、わたしのところに来させなさい。邪魔してはいけません」と言われた。それに続いて「まことに、あなたがたに言います。子どものように神の国を受け入れる者でなければ、決してそこに入ることはできません」と人々に教えられた。《永遠のいのちを得る方法を尋ねる金持ち(17-22)》
続く場面でイエス様に駆け寄り、御前にひざまずく一人の人が登場する。そして「永遠のいのちを受け継ぐためには何をしたらよいでしょうか」と尋ねる。この人はモーセの律法を少年のころからすべて守ってきたと言う。そのうえで、あと何をしたらよいかとイエス様に尋ねた。イエス様が「あなたが持っている物をすべて売り払い、貧しい人たちに与えなさい。そうすれば、あなたは天に宝を持つことになります。そのうえで、わたしに従って来なさい」と答えられると、その人は「顔を曇らせて悲しみながら立ち去った」。イエス様はマタイ6章21節で「あなたの宝のあるところ、そこにあなたの心もあるのです」と言われた。この人は永遠のいのちを受け継ぐことを求めたが、実は彼の心は地上の宝にあって天の御国にはなかったことが示され、深い挫折を味わうこととなった。《それは人には出来ないことだが神はそうではない(23-27)》
「それでは、だれが救われることができるでしょう」と尋ねる弟子たちにイエス様は「それは人にはできないことです。しかし、神は違います。神にはどんなことでもできるのです」と答えられた。神の国に入ることは人の力ではできないことであって、神の力によってのみそれが可能となるということだ。聖書は「すべての人は罪を犯して、神の栄光を受けることができず、神の恵みにより、キリスト・イエスによる贖いを通して、価なしに義と認められる」(ローマ3:23-24)と教えている。神の国に入ること、すなわち救いは、人の努力や功績によるのではまったくない。神様の前に自分は無価値で何もできない、何も持たない者であることを率直に認めて幼い子どものようになって純粋にイエス様に近づこう。「生まれたばかりの乳飲み子のように、純粋な、霊の乳を慕い求めなさい。それによって成長し、救いを得るためです。」(1ペテロ2:2)。