2023年3月12日・・・罪を赦す権威を持っているお方
渡邊徹
イエスは彼らの信仰を見て、「友よ、あなたの罪は赦された」と言われた。
ルカの福音書5:20(17-26)
中風を患っている人の癒しの記事を通して次の三つのことを確かめましょう。
《信仰による罪の赦し(17-20)》
主イエスがカペナウムに戻られたことを聞き、多くの人が集まってきました。パリサイ人および律法学者たちも居合わせていました(17)。そこに四人の者(マルコ2:3)が中風の人を運んできました。「イエスの前に置こうとした」(18)のですが、大勢の人のために近づけません。そこで彼らは外階段で屋上に上って、主のおられる辺りの屋根を剥がし、イエスの前につり降ろしました。そんな彼らの中に、主ははっきりと「信仰」(マタイ9:20-22,ルカ7:1-10)を認め、中風の人に対し「あなたの罪は赦された」(20)と、赦しを宣言されました。彼らが求めたのは癒しだったと思います。しかし、主は人の真の必要をご存じであります。病は確かに深刻な問題ですが、罪には及びません。罪の解決こそ最優先されるべきです。罪の赦しとは、他のあらゆることに優先される、人間が抱える根源的な必要です。
《罪を赦す権威と奇蹟を行う力(21-24)》
この宣言に対し、イエスを救い主と認めない宗教指導者たちは、心の中で陰湿な批判をしていました。主は彼らの心中を的確に見抜き、正々堂々と向き合われました。ご自分が「地上で罪を赦す権威を持っていることを、あなたがたが知るために」と述べて、中風の人に「起きなさい。寝床を担いで、家に帰りなさい」と命じました。すると全くそのとおりのことが、「人々の前」でなされました。癒やしを有言実行なさったことで、当初の「あなたの罪は赦された」との宣言は口先だけのものでも、また人間の分を越えた神への冒涜でもないことが証明されました。主イエスこそ、神の権能を帯びた正真正銘の救い主(=メシア)なのです。
《神に対する賛美(25-26)》
多くの人がこの事件を目撃し、この奇蹟は誰も否定することの出来ない事実となりました。人々はすっかり驚いてしまったことでしょう。私たちも、イエス・キリストにあって生きる時、自分の経験や知識を越えた素晴らしい事柄を数多く経験することでしょう。そして群衆の驚きは神への賛美に変わり、神をあがめました。私たちは生まれながらに罪の性質を持っているので(ローマ5:12)、神と和解するためには、どうしてもその罪を赦していただく必要があるのです。私たちがその赦しを受け取るためにすべきことは、「友よ、あなたの罪は赦された」という宣言を、自分に語られたものとして受け止めることです。救いはイエスの十字架と復活を信じるだけで与えられる素晴らしい恵みなのです。罪赦された私たちは、神の目には、まるでこれまで一度も罪を犯したことがないように見なされます(コロサイ1:21-22)。私たちも今日・・・(ルカ4:21)、罪の赦しと永遠のいのちをもたらしてくださった神をあがめましょう。メシアの到来は今日なのです。