2023年4月2日・・・あなたのためにいのちを犠牲にした神
イエスは大声で叫ばれた。「父よ、わたしの霊をあなたの御手にゆだねます。」こう言って、息を引き取られた。ルカ23:46(32-49)キリストの生涯を記している福音書の箇所から、御子キリストが十字架で語られたことばを通して、救い主が何のために死なれたかを、共に確かめましょう。
《「父よ。彼らをお赦しください」(32-38)》
キリストは無実どころか罪のない方であるのに、聖書の預言を成就するために自ら捕えられ、ご自身が御子キリストであるとの真理の宣言を祭司長たちから冒瀆だと断罪されました。彼らはキリストを反逆者だと総督に訴え、無実だと訴えを退けた総督を、群集と共に脅迫して無理矢理十字架刑を認めさせました。こうしてキリストは辱められ鞭打たれた後に、他の2人の犯罪人と共に十字架に掛けられました。しかし自身を十字架に掛けた者たちのために、こう祈られました。「父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです」(34b)。それを解さない兵士たちは、くじで主の着物を分けました。預言の成就です(詩篇22:16-18)。ユダヤ人が反対しても、罪状書きには「ユダヤ人の王」とだけ記されました。主は救い主である王として死なれたのです。《「あなたは今日・・・、わたしと共にパラダイスにいます」(39-43)》
主の左右で十字架につけられていた二人の犯罪人もキリストを罵っていました(マタイ27:44)。一人は罵り続けましたが、もう一人の犯罪人は、自分たちについては当然の報いだがこの方は無実だ、と告げました。そして主が天の御座に就く救い主だと信じ告白し、「私を思い出してください」と信頼をもって委ねました。主は彼に答えました。「まことに、あなたに言います。あなたは今日・・・、わたしとともにパラダイスにいます」と(43)。死刑に価する者でしたが、罪を認め主を信じただけで、天国を約束されました。行いによらず、信仰のみで救われることの証拠です。キリストと信じた強盗との関係は、すべての人に当てはまります(ローマ3:23-24,5-11)。《「父よ。わたしの霊をあなたの御手にゆだねます」(44-49)》
全地が暗くなり(霊的暗黒と天地の悼みのしるし)、神殿を覆う幕が二つに裂け(天の聖所が開かれたしるし)など、不思議な奇蹟が起こりました。キリストによって天の聖所が開かれ、だれでも神に近付けるようにされました。主は、身代りの痛みを舐め尽した後、酸いぶどう酒を受け「完了した」と宣言しました。人類の罪の身代りに罰を受けて赦しを用意する任務を果たし終えたことの宣言です。こうして「父よ、わたしの霊をあなたの御手にゆだねます」と大声で叫んで息を引き取られました(46)。いのちの源であり神である主キリストは、殺されたのではなく、自らいのちを献げたのです(ヨハ10:17-18)。百人隊長はこの方の正しいことを告白し、嘲っていた群集は悲しみ、弟子たちは逃げ出しましたが女性たちは離れて見つめていました。しかし、この犠牲は死で終りませんでした。この時から、十字架と復活の福音が、世界に広がり続けています。「主イエスは、私たちの背きの罪のゆえに死に渡され、私たちが義と認められるために、よみがえられました」(ローマ4:25)。