2024年3月10日・・・与えられた役割を全うする
嶋田靖史今、あなたがたは心とたましいを傾けて、あなたがたの神、主を求めよ。立ち上がって、神である主の聖所を建て上げ、主の御名のために建てられる宮に、主の契約の箱と神の聖なる用具を運び入れよ。第一歴代誌22:19(1-10)
私達はなぜ生かされているのか?それぞれに何かの役割が与えられているのではないだろうか。自分に与えられている役割について考えてみたい。
≪ダビデの願いと主の命令≫
ダビデは神の為の神殿を建築する願いを持つ。しかし、神はその願いを退け、神殿は息子のソロモンが建築することを明言される(2サムエル7章)。それはダビデが戦いによって多くの血で汚れているから、という理由であった。ダビデはイスラエルの為に神の導きによって、戦い、勝利を収めて来たはずである。しかし、多くの血を長したからと神殿建築を自分でなく、息子に託すよう命じられた。私達も良かれと思ったことが拒絶され、閉ざされることがあるかもしれない。これも神のみ心であると受け止める必要がある。長期的な視点で捉え直すことによって、いつか閉ざされた理由が理解できる時が来る。
≪自分の役割を知る≫
ダビデは神殿建築を拒否されて後、若いソロモンの為に神殿建築の準備を整えた(1歴代誌22:5)。まずはお金と材料を用意し、神殿を運営する為の奉仕者を集めた。そしてソロモンに王位を受け継がせた。神に立てられた王としての心構えを語る(1歴22:11)。建築に関する具体的なことだけではなく、信仰的、霊的なことも継承する。ダビデが体験してきたこと、神が共におられないと成しえないことを伝える。ダビデの役割はイスラエルを統一し、民を導くことであり、それを次世代に継承していくことであった。自分の望みが閉ざされた時にダビデのような対応ができるだろうか?落胆するのではなく、神が自分に与えられた役割は何かを知ることが大切である。
≪神の約束と応答≫
ダビデが力を尽くして神殿建築をソロモンに引継いだのは、神から与えられたダビデ契約があったからだ。「あなたの家とあなたの王国は、あなたの前にとこしえまでも確かなものとなり、あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ」(2サムエル7:16)。ダビデの王国は永遠に続くことを約束された。マタイ1章の系図はダビデの子孫からメシアが登場することを記している。ダビデの王座はメシアであるイエスキリストに繋がり、神の契約は成就した。私達とダビデの共通点は神の国と王座が永遠に続くことを知っていることである。ダビデがソロモンに語った言葉は私達にも語られている(1歴代誌2:19)。教会を建て上げることが、私達に与えられた地上での役割である。ほんの小さな働きであっても、壮大な神のご計画のつなぎ目として用いられている。私達は力不足で、人間的な思いでは尻込みしてしまう者である。「主があなたとともにおられる。主はあなたを見放さず、見捨てない。恐れてはならない。おののいてはならない」(申命記31:8)、と励ましてくださっている。